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故・団藤重光さんを死刑廃止論者に変えた発言の主が新証言「人殺しとは言っていない」
現在の刑事訴訟法の立案に中心的な役割を果たした法学者で、最高裁の判事も務めた団藤重光さん(享年98)が2012年6月に逝去してからもうすぐ5年。晩年は死刑廃止運動に力を注いだことでも知られる団藤さんだが、死刑廃止論者になったきっかけは最高裁時代、ある死刑事件の判決公判で傍聴席から「人殺し」という罵声を浴びた痛切な経験だと伝えられてきた。その発言の主である男性がこのほど「新事実」を明かした――。(ルポライター・片岡健)
日本の性風俗で働く「外国人セックスワーカー」 その「見えにくい」現状と課題とは?
日本の性風俗業界では、日本人だけでなく中国人や韓国人をはじめとする多くの外国人女性が働いている。しかし、彼女たちの実態は公の場で語られることが少なく、それゆえに、その実際の姿が見えにくくなっている。そんな「外国人セックスワーカー」のリアルを知るためのシンポジウム「セックスワーク・サミット2014@大阪」が11月下旬、大阪・十三で開かれた。
一般社団法人ホワイトハンズが主催したイベントで、セックスワーカーを支援する団体「SWASH」と大学の研究者が、現状と課題を語った。ここでは神戸大学の青山薫教授の講演について紹介する。
「たこ糸」が架線に引っかかって新幹線に遅れ・・・たこを飛ばした人に責任はあるの?
新春の風物詩「たこあげ大会」が、全国各地で開かれている。空高く舞上がるたこを見ていると、爽快な気分になる。ところが、たこのせいで新幹線が遅れるという、とんだハプニングがあった。
JR東海によると、1月12日午後2時ごろ、東海道新幹線の車両基地である名古屋車両所(名古屋市)で、長さ約15メートルの「たこ糸」が架線に引っかかっているのが見つかった。近くには、たこも落ちていた。
そのため、名古屋駅に移動する予定だった車両を動かせなくなり、午後2時29分名古屋発東京行きの「こだま」を別の車両に変更することになった。18分の遅れが発生し、約430人に影響が出たという。
どこから飛来したのかは不明だが、飛んでいった「たこ」が他人に損害を与えた場合、たこあげをしていた人は何らかの責任を問われるのだろうか。富永洋一弁護士に聞いた。
子どもが「スマホゲーム」に無断課金、親は取り返せる? 「3年間で600万円」という相談も
中学1年生の息子がスマホで70万円以上課金していたことが発覚し悩んでいるという保護者の投稿が、このほどXで話題となった(投稿は現在、非公開)。
弁護士ドットコムの法律相談にも、「小学生の頃から約3年で610万円ほどスマホゲームの課金で浪費された」「孫が私のスマホでゲーム課金をしてしまい、多額の請求をされた」などの相談が多数寄せられている。
冒頭の投稿者の場合、70万円は投稿者のカードで決済されたが、投稿者は息子のスマホで決済可能なカード情報などを入力した覚えがないため、課金に必要な手続きは「自分でしたと思う」と嘆く。
スマホが広く普及し、小中学生でも所持していることは珍しくない。子どもがいる家庭ではどこでも起こりうる“悲劇”だが、未成年者が勝手に保護者のカード等を使って課金した場合、保護者はそのお金を取り戻すことができないのだろうか。西塚直之弁護士に解説してもらった。
最高裁判事の国民審査、SNSの「罷免運動」は通用するか? 過去最高の不信任率は「15.17%」
衆院選と同日の10月31日におこなわれる最高裁裁判官の国民審査。これまでの24回で罷免された裁判官は一人もおらず、形骸化していると言われて久しい。
理由のひとつには、ニュースで最高裁判決を扱っても、時間や紙面の都合で新聞やテレビが裁判官の個別意見などを十分に紹介してこなかったことがあるとの指摘もある。
こうした反省もあってか、近年は国民審査に合わせて、裁判官の裁判ごとの判断や人となりの紹介に力を入れるメディアも出てきている。
また、SNSの普及などから、こうした情報を活用した「裁判官の落選運動(罷免運動)」とも言える動きも出てきているようだ。
既婚者が「キスフレ」を作ったら「不倫」になってしまうのか?
「キスはするけど、セックスはしない友達」を「キスフレ」と呼ぶそうだ。都市伝説かと思っていたが、サイバーエージェントが運営する女性向け匿名掲示板サービス「GIRL’S TALK」のアンケートで、「『キスフレ』がいるか」という質問に対して36%の女性が「いる/いたことがある」と答えたという。
そこで筆者も周囲の女性に「キスフレ」はいるかと聞いてみたが、何とも怪訝な顔で見つめられただけだった。諦めてネットで検索してみると、確かに話題にはなっているようだ。真偽不明ではあるが、キスフレが流行る理由や、キスフレを持つ女性の証言など、関連する話題を扱ったブログなどがいくつも見つかった。
だが、先の調査によると、「キスフレとの関係が真剣な恋愛に発展する」とした人はわずか25%。「キスフレのことは『好き』?」という質問にはなんと64%がNOと回答していて、「キスフレ」のなんとも微妙で、そこはかとなく寂しげな立ち位置がうかがい知れる。
その一方で、81%の女性が、キスフレは「浮気になる」と回答している。では、もし既婚者が「キスフレ」を作ったら、法律的にはどう扱われるのだろうか。「キスフレ」は不倫や不貞行為にあたり、損害賠償や離婚の根拠になり得るのだろうか。男女問題に詳しい冨本和男弁護士に聞いた。
●不貞行為とは、配偶者以外の者と「性的関係」を結ぶこと
「既婚者が『不貞な行為』(民法770条1項1号)をおこなったり、夫婦間に『婚姻を継続し難い重大な事由』(同法770条1項5号)が生じれば、離婚や慰謝料の支払いといった法律的なリスクにつながります」
冨本弁護士はこのように説明する。では、キスフレは「不貞な行為」や「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるのだろうか。
「判例によれば、不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と『性的関係』を結ぶことをいいます。ここで注意すべきは、『性的関係』という表現がされていることです。つまり、『セックス(性交)』に限定しているわけではありません」
それでは、判例がいう「性的関係」とは、具体的にどんな関係なのか。
●「キスフレ」でも、不貞行為にあたる可能性がある
「この『性的関係』をめぐっては、広めに捉える見解が有力です。この見解によると、男女のキスはもちろん、同性同士のキスも『性的関係』にあたり、『不貞な行為』となる可能性があります。このような観点からは、『キスフレ』も不貞行為にあたり、損害賠償や離婚の根拠になり得ると考えられます」
さらに、冨本弁護士は「仮に不貞行為と認められなくとも、損害賠償や離婚の根拠になり得るといえるでしょう」と付け加える。
「なぜなら、キスフレは配偶者以外の者との親密な交際ですから、夫婦関係が破綻する原因としては十分であり、『婚姻を継続し難い重大な事由』にあたるからです」
冨本弁護士によると、最近の判例で、配偶者の交際相手だったアメリカ人に損害賠償を請求した事案があるという。
「その訴訟で、裁判所は『被告がアメリカ人であることからすれば、抱擁やキスをもって不貞行為と評価することもできない』として原告の請求を退けたのですが、被告が日本人であれば不貞行為と認定された可能性もあったでしょう」
つまり、キスだけの関係である「キスフレ」だとしても、離婚を突きつけられる原因になる可能性があるというわけだ。正式なパートナーがいる人は、安易に「キスフレ」の誘いにのらないように、気を付けたほうが良さそうだ。
転売禁止の図書館「除籍本」がメルカリに大量出品、「税金で買った本」なのにいいの?
図書館を訪れると、「ご自由にお持ちください」「リサイクル本」といった張り紙のあるコーナーに、利用者が持ち帰ることのできる本が並んでいることがある。
これらの本は「除籍本」と呼ばれ、傷んでしまったり、情報が古くなったりした場合、図書館が蔵書から定期的に外すもので、しばしば利用者に無償で提供されている。
しかし、一部の利用者は除籍本を転売し、中にはメルカリやヤフオクなどで高額で販売している人もいる。図書館によっては利用者に除籍本の転売禁止を求めており、対応に苦慮している。
除籍本はもともと、税金で購入されたものであり、除籍後にどのように扱うべきなのか、図書館関係者の間でも議論は分かれる。「税金で買った本」の行方は——。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
家賃滞納で「夜逃げ」、待ち受けるリスク…何年隠れ続ければ、逃げ切れる?
1年ほど前に家賃滞納で夜逃げをしてしまった。電話がかかってきているがどうしたらいいのかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、このような相談が寄せられました。
相談者は、家賃を2〜3か月滞納して荷物を置いたまま出て来たそうです。しかし最近になって電話がかかってくるようになりました。他にも借金をしているという状態で、「返済したいとは思うのですが、毎月キツいです」と言います。
昔の小説や映画ではよく「夜逃げ」シーンが見受けられましたが、現代において家賃滞納から逃れることは可能なのでしょうか。後から見つかった時に、どのようなリスクが待ち受けているのでしょうか。弁護士に聞きました。
宮崎謙介氏「4年ぶりゲス不倫」を謝罪、慰謝料は高額になる?
育休宣言で注目されていた宮崎謙介氏(当時・衆議院議員)が、自身の不倫問題で議員辞職したのは2016年のことだった。それから4年。またしても、不倫問題で世間を騒がしている。11月27日の「文春オンライン」の報道によれば、相手は30代の医療従事者の女性。取材に対して、宮崎氏は事実を認めた。
宮崎氏は同日、TOKYOMXの「バラいろダンディ」に生出演し、「お騒がせして申し訳ありません」と謝罪した。妻の元衆院議員・金子恵美氏には既に謝罪していたというが、「さすがに2回目なので、あきれている気持ちが強いと。非常に怒られました」と打ち明けた。
2016年の不倫問題当時、金子氏は、「子供の将来を考えた時に、二人で子供を守っていくことが最善の道だと考えるに至りました」と、明言していたが、今回、現時点では「お騒がせして申し訳ありません」とコメントするにとどまっている。
離婚の危機を乗り越えて結婚生活を続けることは「夫婦再構築」と言われているが、今回の「裏切り」で崩壊する可能性もある。2度目の「裏切り」が起きた場合、不貞された側は相手に対して、どんな法的措置がとれるのだろうか。
電車内で女性に「放尿させて」AV撮影、男性が「公然わいせつ」容疑で逮捕されたワケ
電車内でアダルトビデオ(AV)の撮影をしたとして、福岡県警は6月23日、福岡市のAVメーカーの会社役員の男性と同社の男性社員1人を公然わいせつの疑いで逮捕した。2人は容疑を認めているという。
報道によると、両容疑者は2013年10〜11月にかけて、福岡県内を走行中の西鉄電車内で、公募で集めた23〜28歳の女性3人に、胸や下半身を露出させたり、放尿させたりした疑いがもたれている。
その様子を撮影した映像は「場違い排泄」などのタイトルで、2014年1月にDVDで発売されたが、映像を見た人から西鉄に連絡があり、警察に相談していた。6月23日段階の報道では、女性3人についても、同容疑で任意で取り調べを進めることが報じられている。
今回の事件では、女性3人に露出や放尿をさせた男性2人が、公然わいせつの疑いで逮捕された。わいせつな行為を自らしたのではなく、他人に「させた」場合も、公然わいせつ罪に問われるのだろうのか。松原祥文弁護士に聞いた。